鍼灸

【鍼灸師向け】腰痛に対して鍼の刺入深度によって治療効果は変わるのか?

こんにちは!

カラダの治療家 みかみ ひさしです!

*今日は専門家向けの記事になりますので、一般の方にはよく分からない言葉が出てくることがあると思いますが、ご了承ください。

今回お伝えする研究は腰痛に対して、鍼の刺入深度を変えると効果は変わってくるのかという研究になります。

普段、鍼灸師の方であれば刺入深度は意識しているところかとは思いますが、刺入深度によってどれくらい効果が変わってくるか知らない方がほとんどではないでしょうか?

私も今回の論文を読むまでは知りませんでした。

これを知っているかいないかで効果の出かたが変わってくることもあると思いますので、ぜひ最後までご覧ください!

研究内容

腰痛を3ヶ月以上罹患している患者32名に対して、ランダムに浅刺群、深刺群に分けました。

施術部位は自覚的最大痛み部位3〜12箇所に行いました。

刺入深度は浅刺群が5mm、深刺群が20mm刺入し、1mm幅で雀啄を20秒間行い、その後に抜鍼しました。

評価は治療内容を知らない鍼灸師が、初回治療前後、各回の治療前、治療終了時、治療終了4週後にVAS(痛みの評価)、初回治療前、治療終了時、治療終了4週後にRDQ(腰痛特異的QRL尺度の日本語版)、PDAS(慢性疼痛患者における生活障害の程度)を用いて評価を行いました。

【結果】深刺群で良好な結果を示した

筋の存在する深部まで刺入した方が有効性が高いことが分かりました。

これは浮腫に対しての研究でも深度が深い方が浮腫の軽減に効果的だということが言われています。

また、筋への鍼刺激は痛覚閾値の上昇、筋血流の増加をもたらすことも分かっています。

ですが、今回の研究では深刺の方が効果的だったものの、他の研究では浅刺の方がよかったり、どちらでも差がなかったものもあるので悩ましいところです。。。

どちらにせよ、特に深刺の時は場所によって深度を変えたり、無理に深刺を行うのはやめておいた方がいいでしょう。

ぜひ参考にしてみてください!

論文

腰痛に対する腰部への鍼の刺入深度の違いによる治療効果の相違
ランダム化比較試験
藤本 幸子, 井上 基浩, 中島 美和, 糸井 恵

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